AIエージェントを構築するノーコード/ローコードツールとして、Dify、n8n、Flowiseの3つが2026年現在最も注目されています。いずれもオープンソースで、セルフホスト可能。しかし設計思想も得意分野も大きく異なります。
本記事では実際に3ツールでAIエージェントを構築した経験をもとに、機能・料金・学習コスト・拡張性を徹底比較します。
3ツールの概要
DifyはLLMアプリケーション開発に特化したプラットフォームです。チャットボット、テキスト生成、ワークフロー型エージェントをGUIで構築できます。中国発のオープンソースプロジェクトで、GitHub Star数は90k超(2026年2月時点)。RAG(検索拡張生成)機能が標準搭載されているのが最大の強みです。
n8nはワークフロー自動化ツールです。ZapierやMakeの代替としてスタートしましたが、AI Agent機能の追加により、AIエージェント構築ツールとしても急速に存在感を増しています。400以上の外部サービス連携ノードを持ち、既存の業務システムとの統合が最も得意です。
FlowiseはLangChainのビジュアルビルダーです。LangChainの各コンポーネント(LLM、メモリ、ツール、チェーン)をドラッグ&ドロップで組み合わせてエージェントを構築します。LangChainの知識があるエンジニアにとっては最も直感的なツールです。
機能比較
LLM対応:3ツールともOpenAI、Anthropic、Google等の主要LLMに対応。Difyはローカルモデル(Ollama)統合が最も簡単。n8nはLLMの選択肢をノードで切り替え可能。FlowiseはLangChainがサポートするすべてのLLMを利用できます。
RAG機能:Difyが圧倒的にリード。ナレッジベースの作成・管理・検索がGUIで完結します。Flowiseもベクトルストア連携は可能ですが設定がやや複雑。n8nはRAGを自前で組む必要があり、最も手間がかかります。
外部サービス連携:n8nが圧倒的に強い。Slack、Gmail、Notion、Salesforce等400以上のインテグレーション。Difyはカスタムツール定義で対応可能だがn8nほどの網羅性はなし。Flowiseはカスタムツール作成でAPI連携する形です。
エージェント機能:Difyのワークフロー型エージェントは条件分岐、ループ、並列処理をGUIで組める点が秀逸。n8nのAI Agentノードはシンプルだが、ワークフローの一部として組み込める柔軟性がある。FlowiseはReActエージェントやPlan-and-Executeエージェントなど、LangChain由来の多様なエージェントパターンに対応します。
料金比較
Dify:クラウド版はFree(200メッセージ/月)、Professional($59/月)、Team($159/月)。セルフホストは無料(Dockerで簡単にデプロイ可能)。
n8n:クラウド版はStarter($24/月)、Pro($60/月)、Enterprise(カスタム)。セルフホストのCommunity Editionは無料。
Flowise:完全無料のオープンソース。クラウドホスティングサービスはなく、セルフホストのみ。Docker or npm installで立ち上げます。
どれを選ぶべきか
Difyがおすすめ:RAGを使いたい、社内ナレッジベースを構築したい、チャットボット+エージェントのハイブリッドを作りたい場合。非エンジニアのチームでも運用しやすい。
n8nがおすすめ:既存のSaaS(Slack、Notion、CRM等)とAIエージェントを連携させたい場合。業務自動化の延長線上でAIを組み込むアプローチに最適。
Flowiseがおすすめ:LangChainの知識がある、カスタムエージェントを細かくチューニングしたい、研究開発目的で使いたい場合。最も技術的な自由度が高い。
まとめ
3ツールに優劣はなく、用途と技術レベルで最適解が変わります。まずはDifyで基本を学び、業務連携が必要になったらn8n、高度なカスタマイズが必要ならFlowiseという段階的なアプローチがおすすめです。いずれもオープンソースなので、まずはDockerで試してみてください。